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2019-10

2016年9月(第446回)例会のお知らせ

8月例会は休みます。
2016年9月(第446回)例会は下記のとおりです。

と き 9月25日(日)午後1時30分~5時
ところ 名古屋YWCA(℡052-961-7707)
   地下鉄「栄」駅5番出口より錦通りを東へ約100m
テキスト 崔実(チェ シル)『ジニのパズル』(講談社)
報 告 林安沢(語り系詩人)

◆植村隆講演会『私は「捏造記者」ではない』が開催されます!
と き 8月20日(土)午後1時30分~
ところ 名古屋市博物館講堂(地下鉄「桜山」駅4番出口から5分ほど)
参加費 800円
主催 植村裁判支援名古屋集会実行委員会
連絡先 090-2922-5767
 植村隆さんは元朝日新聞記者。「従軍慰安婦」をめぐる記事によって歴史修正主義者/右翼らから不埒な攻撃と脅迫を受けた。現在は韓国カトリック大学客員教授を務めながら、名誉毀損裁判をたたかっている。植村さんの講演から事の真相と朝日バッシングの実態が明かされるだろう。
皆さん、こぞって参加を!

◆朝鮮高校無償化差別裁判の第19回口頭弁論は、9月12日(月)午後2時(傍聴券抽選は1時30分まで)、名古屋地裁です。

磯貝治良

コメント

報告その1

 2ヶ月ぶりの開催、7名が参加しました。以下、参加者の発言をごくかいつまんで紹介します。(途中退席したので、その2は石田さんが書き込みしてくれるはず)

 まず、報告者の林さんからは、プロローグ(アメリカの学校での出来事)が50頁もあり、長すぎるのではないかという発言がありました。そのプローグの最後に書かれている、「ここから学べるものなんか、何一つありはしない」という独白から、この小説は問題を解くのではなく、何かを感じてもらうためのものだというメッセージが込められているのではないか、と読み取れる。ジニを含む在日が「透明な存在」であり、社会からの無視や無関心という形で差別されていることが主題ではなかろうか。ジニの居心地の悪さ、いらだちはよく分かった(とくに「天国のハラボジ」や「時の切れ端」で)。ただ、世代の差があるのか、読み手として共感できない部分もあったが、随所に心に残る表現があった。例えば、最初の方の道行く人の靴の描写で、「センスのある靴」とか「一番センスのない靴をはく自分」という表現など。全体として、斬新な小説だと思うが、どこが新しいのか、自分にはよく分からない。ただ、在日の置かれている状況が自分たちの時代とあまり変わっていないことがよく分かった。(以上、林さん発表)
 林さんの発表に対して、磯貝さんから、この小説は自分さがしのもどかしさを描いたものであるという指摘がありました。そして、「ヨンジャさんも中学から朝鮮学校に行ってジニと同じ経験をしたのではないのか」と発言を促しました。ヨンジャさんからは、自分も言葉がわからず、学校を休みがちになり、ひきこもりになったこともあった。それで、おばに一緒に行ってもらったり、先生がよい先生なら頑張ろうと思って通ったが、結局、途中でやめてしまったという思い出話が紹介されました。その後、一人ずつ感想を話しました。
(石田) 作者が1985年、自分は1983年生まれなので、ほぼ同世代の感覚で読むことができた。最初雑誌に発表されたものを読んだ時には、期待しすぎたせいもあるのか、ジニのキャラクターが好きになれず、あまり印象に残らなかった。しかし、単行本になって再読すると印象が変わった。とくにジニの行動力に感心させられた。「歴史は私たちが作っている」という表現が印象に残り、社会の矛盾に無関心で行動を起こさない人たちを批判しているのではないかと感じた。また、そんなジニを受け止めるステファニーの存在が大きいのではないかと思う。
(太田)ジニがとてもかわいいし、いじらしい。自分の孫の世代に近いと思うが、子どものころの悩みがスーと心に入ってきて読みやすかった。ハラボジの手紙の内容が徐々に変っていくのが印象に残った。
(許)ジニは本当に困った子だね。素直になれないし、変わった子で問題児。同胞の家には昔は肖像画がよく掲げれていたが、金日成主席の死後、あまり見られなくなった。
(磯貝)肖像画が政治的であるという感覚を中1のジニが持っているのは不自然ではないか。作者の作為かも知れない。朝鮮学校の無償化除外裁判に毎回参加しているので、最近の朝鮮学校の生徒の姿を目にすることも多い。朝鮮学校の描き方については、誰かが「パッチギ」的だと指摘していて、それについて自分は賛成しないが、この小説の描き方には足りない部分もあるのではないかと感じている。
(ヨンジャ)とにかくよく分かる。ジニはとてもピュアで、反抗しながらもよく学んでいる。最初はこのままアメリカを舞台に小説が続くのではないかと思ったが、途中から朝鮮学校の話になって驚いた。在日の負の部分というか、暗い部分が昔とあまり変わらず、若い世代の人たちも葛藤しているんだということがよく分かった。
(磯貝)ジェファンをもっと描いてもよかったのではないか。正直、世間で高く評価されている程の作家なのか、よく分からない。感性のシャープさ、ウィット(機知)も感じられ、この小説ではパズルという言い方でコラージュの手法が功を奏しているが、果たしてこの作家に物語が書けるのか。「空が降ってきたら」という比喩で小説を終わらせるのは安易である。プロの作家として書き続けていくとどうなるのか。次作に期待したい。
(浮葉)父母があまり登場しない。ジニはひとりで世界と闘っている。その点が例えば柳美里とは大きな違いだと思う。また、アメリカの登場人物の描き方が面白かった。クラスメイトや先生から無視し続けられるジョン、ろうあ者(だと思われる)のマギー、ガミーベアを差し出す男とか。
(林)この小説には、枠にはめられたくないというジニの思いが描かれている。だから、社会からはじきだされた人たちが描かれているのではないか。
<休憩>

報告その1は以上です。

興味深く読みました。後半の報告、期待します。
私は、ジニの論理と行動が、橋下徹と通底していることに危惧を憶え、そして、
「文壇」作家たちの絶賛に、恐怖を覚えました。磯貝先生のおっしゃる通り、この作家が次に何を書くのか? 書けるるのか? に注目しています。

報告その2

残念ながら、「報告その2」をお願いした石田さんから、以下のようなメールが来ました。
「浮葉さんの退席後すぐにお二人が用事で退席なされまして、その流れで16時少し過ぎで『読む会』はお開きになりました。その後4名で酒津屋で『飲む会』に突入、18時過ぎに解散しました。」
もちろん、「飲む会」ではそれなりの議論がされたと察しますが、その報告をお願いするのは酷なので、どうかご容赦ください。なお、次回は12月になり、テキストも未定です。このところ参加者が少なく、厳しい状態が続いており、450回を前に足踏み状態が続いています。

1人で読む読書と違う楽しみ

報告その2については浮葉さんに書いて頂いた通りです。

読む会ブログへコメントするのは今回が初めてなのですが、初コメントがこれだけでは味気ないし、折角なので今回の読む会についての個人的感想を書かせて頂きたいと思います。

今回はいつにも増して多様な意見や感想が聞けてとても面白かったです。
特にジニと同じような経験をなさったヨンジャさんのお話を聞いた後は実際にジニと同じ境遇の方が存在すると言う強いリアリティを持って作品を考える事ができたし。
許さんの作中の朝鮮学校の立場にたったうえでのジニが問題児であるという発言は、何も考えず行動しなかったジニ以外の人達に問題があると感じていた僕の意見とは反していたけれども(どちらが正しいとか間違っているという話ではなく)自分の意見をもう一度考察するきっかけになりました。
同じ本を読んでも僕のように普段は在日の方との接点を全く持たない日本人と、磯貝さんや浮葉さんのように在日の方々との親交が深い方、また在日の方でもそれぞれの境遇で読み方や印象が異なるのは当然と言えば当然ですが作品についての感想を聞くとその人の人間性が出てくる事が楽しく、また自分一人で読んでいたのでは決して気が付かないであろう発見や感動が毎回ありとても新鮮です。

ジニよ

浮葉さん、翼さん、ヨンチさん
記録ご苦労さまです。感想ありがとうございます。
ぼくも何か、と思うのですが、億劫なのが先立って。80歳というのはこういうことかと、都合の悪いことは歳のせいに。ごめんなさい。
「架橋」33号出さなくてはなりません。みなさん、そろそろスタンバイを。
磯貝は、例の鬼の霍乱に見舞われたりして、3月8日に書き始めた小説が、77枚なのに、ようやく第一稿を脱稿しました。

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